ESG金融とは、企業分析・評価を行ううえで長期的な視点を重視し、環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)情報を考慮した投融資行動をとることを求める取り組みとされています。このESGを考慮した資金の流れが今、世界的に、かつ急速に広がっています。
ESG金融を通して解決を目指すべき課題としては、気候変動、生物多様性保全、サーキュラー・エコノミーといった世界的な環境・社会課題などが挙げられますが、特に気候変動については、日本政府による「2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロとする。」との2050年カーボンニュートラル宣言により、脱炭素化に向けた取り組みが進められているところです。また、2021年1月19日には、環境省と経済産業省が「サーキュラー・エコノミーに係るサステナブル・ファイナンス促進のための開示・対話ガイダンス」を取りまとめ、公表しています。
また、世界では新型コロナウイルス感染症拡大からの経済復興にあたり、環境や社会よりも経済政策を優先させるのではなく、この機会に気候変動対策やサーキュラー・エコノミーをさらに推し進め、災害や感染症などに対してもよりレジリエントな社会・経済モデルへと移行していくという「グリーンリカバリー」の考え方が広まっています。こうした世界的な流れを踏まえると、今後も投融資活動に際して、ESGの観点が重視されるものと考えられます。