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# 資源循環
太陽光発電(PV)モジュールの適正な処理ルート構築に向けた回収モデル事業
お客様自社事業・官公庁
対象地国内
EUでは、不要になったPVモジュールを最終処分場で処分しないようにしようということが当たり前になっているなかで、なぜ我が国では、不要になったPVモジュールが最終処分場で処分され得るのだろうかと疑問を持ったことから、本業務の企画の着想を得ました。
その後、クライアントに企画を提案するとともに、国内外のパートナーから協力を得ることで、業務の実施、とりまとめができました。

PROJECTプロジェクト概要

課題
脱炭素社会への移行を目的として、世界的に太陽光発電設備の導入が進んでいます。他方、太陽光発電設備が廃棄される局面を迎えた場合の対応方法については、世界的に走りながら考えている状況が続いています。
そうしたなか、EUでは法制度を整備して、できるだけPVモジュールが最終処分されることがないように、各種施策を講じています。具体的には、EUにはPVモジュールの収集ポイントというものが存在していて、不要になったPVモジュールをその収集ポイントに持ち込めば、あとは収集ポイントの管理者が、できるだけ最終処分されることがないように、集めたPVモジュールを適正に処理しています。
一方、日本にはPVモジュールの適正な処理ルートというものがありません。そこで、本業務では、EUで既に導入されている収集ポイントを日本に導入する場合には、どういった課題が想定されるのかを洗い出すことを上位の目的として、実施しました。
ソリューション
本業務は、ベルギーに拠点を持ち、PVモジュールの収集ポイントの管理を行っているPV CYCLEという非営利団体から、EUの収集ポイントで実際に使用されている収集箱を日本に輸入することから始めました。この収集箱は、折りたたみおよび蓋の取りはずしが可能で、遮光効果(発電防止措置)を持つとともに、蓋をすることで密閉されるため、内容物の飛散流出防止(破損ガラスでのけがの発生予防措置)ができるという、利便性だけでなく、安全面への配慮も考慮されたものでした。
収集箱の輸入と並行として、東北地方を中心とした地域で収集ポイントとして機能いただく協力者との調整も行いました。結果、1県あたり1~2か所程度、計14か所に収集ポイントを配置しました。なお、PVモジュールは不用意に扱うと感電の恐れや、破損したガラスとの接触でけがをする恐れがあるため、収集ポイントの管理者には安全への配慮事項を文書に基づきご連絡しました。この安全に関する文書も、PV CYCLE がEUで実際に使用しているものを、和訳して使用しました。
さらに、PV CYCLEの担当者を日本に招聘し、収集ポイントの管理上の課題についてクライアントも交えて意見交換するとともに、PV CYCLEとともに秋田県内の収集ポイントを現地視察しました。PV CYCLEは、収集箱の使い方や収集ポイントの管理者の管理方針などを実際に確認した上で、当収集ポイントがPV CYCLEにより支援を受けたものである旨を示した文書を発行しました。
最後に、本業務の報告書を作成し、クライアントに提出しました。報告書の中では、業務の概要と主な成果、今後日本でPVモジュールの適正な処理ルートを構築する上での課題やその解決策を検討しました。
成果
本業務に基づく提言が考慮され、本業務を実施した次の年度には、東北地方だけでなく、九州地方を中心とした地域でPVモジュールの回収モデル事業が行われました。
結果、PVモジュールの適正な処理ルート構築に向けたネットワークが広がるとともに、政策立案に資する基礎データも蓄積しました。
担当者より
石塚 隆記

弊社は自社事業の一貫で一定の頻度で海外を訪問し、その時点での最新の業界動向の把握を行っています。
本業務の実施前にも自社事業で欧州を訪問し、そこで直接PV CYCLEと意見交換できていたことも、本業務を円滑に進めるうえで重要な意味を持ちました。
「平成 27 年度地域循環拠点(エコタウン等)高度化モデル事業(廃太陽光発電パネルの広域収集網の構築に係るモデル事業)」(2015年度)(環境省)
「平成28 年度地域循環拠点(エコタウン等)高度化モデル事業(廃太陽光発電パネルの広域収集網の連携に係るモデル事業)」(2016年度)(環境省)

事例で紹介した事業内容

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